範囲選択のアレコレ
パソコンの操作(というよりキーボードのホームポジション)に慣れてくると、キーボードとマウスの持ち替えが煩わしいと感じることはありませんか?実はマウスを使うよりキーボードの方が楽に操作できるものがあります。
所謂、ショートカットキーと呼ばれる操作がソレに当たります。
マウス操作を行う場合、対象を正確にポイント(マウスポイントを対象に重ねる操作)しなくてはいけません。さらに命令をするためにボタンをポイントしクリックと。
アチラコチラを「正確にポイントする」。何気にこれが面倒くさいのです。
そこでショートカットキーの出番です。命令を実行するショートカットキーとして「Ctrl+C」はあまりに有名ですが、今回のお話は表題の通り、その前の「操作対象の選択」方法についてです。
※今回のお話は「109日本語キーボード」を元に記述しています。ノートパソコンなどのキーが少ないキーボードの場合、若干の違いがありますのでご注意ください。
109日本語キーボードはこんなヤツ
キーボードでセルを選択
まずは基本操作、アクティブセルの移動方法です。上下左右の矢印が書かれたキーを押すことで、アクティブセルは矢印の方向へ1マス移動し、長押しするとキー連打と同じ効果があります。これで目的のセルを選択することができますね。
多少離れたセルでも「マウスで正確にポイントしクリックする」操作と遜色なく選択が可能です。
※当然個人差ありますが、練習次第でもあります。
ここまでは大した話じゃないですが、いよいよショートカットキー。
「Ctrlキーを押しながら矢印キーを押す」です。
題材
ショートカットキーの効果:アクティブセルを矢印方向の端まで移動させる
題材の場合、セルA1からCtrlキーを押しながら右矢印キーを押すとIV列(256列目)
下矢印キーを押すと65536行目(※1.)にアクティブセルが移動しちゃいます。
※1.エクセル2003の例です。2007ではセル数が大幅にアップし、XFD列(16384列目)、1048576行まで移動します。
終端に到着
このままではあまり意味のない残念な機能なのですが・・・
効果2:連続するデータ範囲内で操作した場合、最後のデータセルで止まる(選択される)
Ctrl+下矢印キー
という動作を行います。
セルB3から「Ctrl + 下矢印キー」とすると、B列の一番最後のデータセルB7がアクティブセルになります。さらに「Ctrl + 右矢印キー」で7行目の一番奥のデータセルD7がアクティブセルになります。
題材がショボいのでイマイチ威力が伝わりませんが、1千行・1万行のデータで考えてください。マウスでズルズル〜っと操作するのとでは選択速度が桁違いです。ちなみに最終データセルのD7選択中に「Ctrl + →」や「Ctrl + ↓」とするとやはりエクセルの端っこまで移動します。
今回の主題は「範囲選択」ですが、セル選択についておまけ話を2つ。
キーボードの「Home」キー。エクセルで使用するとアクティブセルがA列に移動します。「Ctrl + Home」でエクセルのホームポジションと呼ばれる、セル「A1」にアクティブセルが移動します。
もう1つ。矢印キーだけではアクティブセルの移動が困難な(目的のセルが離れている)場合。「Ctrl + G」のちに選択したいセル番地を入力(大文字/小文字問わず)しEnterキーを押すとピンポイントでセルを選択できます。
ジャンプダイアログボックス
※エクセルでは日本語を入力しない時は全角/半角キーで半角入力に切り替えておきましょう。日本語入力モードの場合、列番号をアルファベットで入力する為にShiftキーが必要になったり、文字変換を確定するためにEnterキーを押す手間が発生します。
キーボードで範囲選択
いよいよ本題です。上記ではセル単体を選択する方法だったのですが、今回は複数のセル・範囲選択の話になります。
範囲選択を行う時に使用するのは「Shift」キーです。Shiftキーを押しながら矢印キーを押すと、押した方向のセルが選択範囲に含まれます。(選択範囲の拡張なんて言い方をしたりします)
この操作と先程話していたCtrlキーの操作を足し合わせることでより効率的な操作が可能になります。
例えば以下の表に罫線[格子]を設定したいとしましょう。
題材2
1年分の出勤時間を求める為のシートで、行数は370行近くあります。このような大きな表をマウスで選択するには骨が折れますが。
Ctrl + Shift + 下矢印キー
まずセルB4を選択し、「Ctrl + Shift + 下矢印キー」でB列のデータ範囲を選択します。続けざまに「Ctrl + Shift + 右矢印キー」を押せばデータ範囲を一瞬で選択することが出来ます。
続けざまにCtrl + Shift + 右矢印キー
さらにこの操作は数式の入力時にも便利です。
セルF4に時間合計を求める為にSUM関数を使います。
手順2.SUM関数をカキカキ
1. | セルF4を選択 |
2. | 「=SUM(」と入力 |
3. | 矢印キーを使いセルC5を選択 |
4. | 「Ctrl + Shift + 下矢印キー」を押す |
5. | 「)」を入力しEnterキーを押す |
手順3.セルC5を選択
手順4.Ctrl + Shift + 下矢印キーの結果
計算式を入力していたセルが見えなくなりますが、数式バーで確認してください。(注:確認だけです。)範囲が選択できたら、マウスには一切触らず関数のお尻「)」を入力し数式を確定します。
※オートSUMボタンを使った場合は、SUMボタン→手順3と4の後にEnterキーです。
セル番地を直接入力するのが最良ですが、最終行が分からなくては入力できません。そんな時にササッと範囲を選択し「デキる」雰囲気を醸し出します。マウスの範囲選択で「ちょっ行き過ぎ!スクロール早すぎ!」と騒ぐのは終わりにしましょう。
表全体の操作に関して1点
実はリスト(データが固まっている所)内で「Ctrl + A(※1.)」を使うと、その周囲の連続するデータ範囲を選択できます。この操作は左手だけで完結するので右手はマウスを握ったままでOK。つまりデータ範囲を選択すると同時にマウスはボタンをポイントすることができ、非常に早い操作が可能になります。
「何でもかんでもマウス」から「マウスとキーボードの組み合わせ」を心掛ける事がLevel2.0への近道(※2.)です。
※1.「Ctrl + A」は全セル選択。と紹介している方が多いですが、「リスト外で」の一文が抜けて
ます。
※2.当然、私感です。科学的な根拠は一切ありませんので悪しからず。
ここでもおまけ話を2つ。
「Ctrl + Space」選択範囲の列を全て選択する
「Shift + Space」選択範囲の行を全て選択する(入力モードが日本語になっているとNG)
私はほとんど使っていませんが、「こいつぁは便利だっ!」という人もいると思うので。。。